THE TRUNK BY OBOIST & 時在服飾設計
TALK LIVE / 2024.4.13 20:15

ファッションブロガーであるオボイストさんとの出会いは、ここ数年の私にとって特別なものでした。オボイストさんは12年間ブログを執筆しており、まさに筋金入りのファッショニスタです。

彼のスタイルの骨子はブリティッシュであり、そこにモダンと遊び心を加えています。自由な感性で流行や規則にとらわれず、自身の知性と感性を大切にしたスタイルを築いています。その結果、オボイストスタイルは共感を呼び、ブログを拠点としたファッションコミュニティを創り上げました。

そんな彼がたまたま立ち寄った京都藤井大丸の時在服飾設計のシャツに興味を持ち、頻繁に通ってくださるようになりました。実際に私も彼と直接お話ししましたが、ファッションのこと、仕事のこと、愛している奥様のことを、柔らかい笑顔と丁寧な語りで私に伝えてくれました。その彼のアティチュードに魅了されました。

アティチュードは、フランス語で「態度」や「姿勢」を意味します。ファッションの文脈では、個々のスタイルや服装、振る舞い方など、個性や特徴を表現するための態度や姿勢を指します。アティチュードは、服装や外見だけでなく、自信や自己表現の仕方、社会への姿勢なども含みます。ファッションの世界では、アティチュードが重要な役割を果たし、個々のスタイルや魅力を際立たせる要素として捉えられます。彼はまさに、アティチュードを纏った人でした。



そして、嬉しいニュースが飛び込んできました。2024年5月1日、オボイストさんの夢であった「THE TRUNK BY OBOIST」が誕生するというお知らせでした。送られてきた写真を見て私は思わず微笑みました。写真には彼が長年、デザイナーや作り手の現場に直接足を運び、会話をして創作の意匠と美学を受け取り温めてきた思いが静かに熱く爆発していたからです。ひとつひとつこだわり抜いた家具や抜かりない小物たちが並ぶ空間です。そこに彼の審美眼に叶ったアイテムを陳列し、それをフォーマットとして、顧客様のニーズに合わせてビスポーク※で誂えていくスタイルになるでしょう。

そしてこの「THE TRANK OF OBOIST」の肝は、その営業スタイルにも表れています。オボイストさんが引き続き会社員として活躍する前提ですので、週二日アポイント制の営業スタイルということです。普段は社会のなかで会社員としてバリバリと働く男の後ろに、この優美な世界線が存在しているということ。秘密をもった人物は魅力的です。このストーリーだけでもわくわくするはないではないですか!

趣味をビジネスにしてはいけないという話は、もう過去の話であり、ダブルワークという働き方が存在しない時代のことです。その関わり方とスーツをベースにしたビスポークの仕組みは好相性をもたらすでしょう。ビスポークファッションは社会性を持った衣服でありながら嗜みと趣味性の強いものです。好きすぎる好きはやがて愛に変わり、それは訪れる人の胸を打つはずです。商業化されすぎたファッション業界にも一石を投じるショップになると感じています。

一方、私はオボイストさんの構築的な世界とは真逆までとは言いませんが、既存の服を解体してまた再構築した衣服を製作しています。ティーンネイジャーの頃からモードに魅了され、デザイナーの発想でクラシックをいかに逸脱させるか、その表現に魅了されて続けてきました。

そして現在の私は、ショップバイヤーからデザイナーへ転身し、その流れを自分なりに継承しつつ、プレタポルタでありながら不特定多数ビスポークのOSヴァージョンアップ方式とも呼ぶような形で発表しはじめたところであります。(現在、情報公開の準備を進めています)それは、自分自身バイヤーだったころに、アルチザン系と呼ばれるクラフトマンシップの強いデザイナーとの交流に刺激を受け、アルチザン市場確立の一隅を担ったことにも由縁していると思います。

もっとも、私の場合は顧客さまというより、社会と対話(SOCIETY SPOKE)して創作しているようなものです。社会というと堅苦しいですが、現在の世の中に漂うムードというか、風のようなものと対話して制作しているようなものです。そういう意味で、このオボイストさんとのコラボレーションは、同じ世界線上にありながらも、また違う表現になろうかと思います。それは、私にとって多くの学びと喜びが生まれそうな予感に包まれています。

インスタライブ配信のお知らせ
THE TRUNK BY OBOIST のオープンとコラボシャツを記念して、4月13日 20:15〜よりTHE TRUNK BY OBOISTと時在服飾設計のインスタでライブ配信を行います。オボイストさんの考えるダンディズムの美学を存分に語ってほしいと思っています。TOKIARIのシャツの裏話もお話しさせていただきます。ぜひ、ご視聴くださいませ。

https://www.instagram.com/oboist_
@oboist_

※「ビスポーク」とは、主にファッション業界で使用される用語で、顧客の個々の要望や体型に合わせて製品をカスタマイズする手法を指します。これは、通常は高品質な素材と職人技術を用いて行われ、一般的な市販品とは異なり、個別の注文に応じて作られます。具体的には、スーツやドレスシャツ、靴などの衣類やアクセサリーがビスポークスタイルで作られることがあります。顧客と職人の間で綿密な対話(BE SPOKE)をしながら衣服を完成させていくことを言います。この場合、ベースになるのはテーラード、いわゆる構築的なメンズファションを示します。


<OBOIST VOICE>

「いつか、自分のお店を持ちたいね」

妻と時折そんな夢語りをすることはありましたが、具体的にお店を出そうと考え始めたのは年末年始頃の話です。

私はこれまで、原則金銭的な報酬をもらうことなくクリエイターの方々とタッグを組んで様々なブログコラボレーションアイテムを発表してきました。「自分が使うために、自分一人のために作るビスポーク」と違い、市場性と自分が欲しいディテールとのバランスを取りながら商品企画をする経験は私の本業とは全く違う分野への挑戦であり、難しくもありながら刺激的で普段一般企業の社員として働く私にとってとても貴重な経験となりました。このような活動は、僭越ながら「どうしたらモノづくりを生業とする“私の好きな人たち”を応援できるのか」「どうしたらブログの読者にもっと楽しんでもらえるのか」という2点に焦点を絞って活動してきたつもりです。

一方で、コラボプロジェクトでお金を受け取らないと決めた背景には「自分はプロではないから」という強い拒絶感があったことも事実です。もちろん、私がお金を受け取らないことで商品の販売価格を下げることが出来ますし、より多くの読者様に楽しんでいただけるということはまず大前提としてあります。しかしそれ以上に「お金を受け取る資格がまだ自分には無い」という意識が自分の中での不文律として強く根差していたのです。

最初のコラボレーション開始から5年が経ちました。5年前と比べて、私とプロフェッショナルたちとの関わり方はさらに広く深くなっています。そして色々な経験を経て築き上げた人脈は、一般的なプロフェッショナルと同等、部分的にはそれ以上と言えるほどのご縁に恵まれました。また、私の本業は「モノを売ること」です。この点に関しては私は胸を張ってトップクラスの実績を残してきたと断言できます。私が“プロ”としてお店を構え、私の胸を震わすクリエイターたちの作品を紹介し販売することで、より広く彼らのクラフツマンシップと人間性(CRAFTSMANSHIP&HUMANITY)を伝えていきたいと考え、この度THE TRUNK BY OBOISTの設立を決意しました。

“TRUNK”はダブルミーニング。ひとつはトランクショーのTRUNKです。これまでコラボレーションしてきた方々は勿論ですが、私がTHE TRUNKというハコを作ることで新しい取り組みも可能になります。言うまでもなく、私が欲しいと思えるものだけをご紹介していきます。もうひとつ、TRUNKには「幹」「胴体」といった意味があります。私のスタイルの根幹は人々との繋がりで成り立っており、私の人間形成過程においてビスポークやオーダーの経験は不可欠なものでした。取り扱いするアイテムの素晴らしさは勿論ですが、そんな「そもそも」の部分についてもお客様に伝播する役割を担えればと考えています。

本業は変わらず続けていきます、私のわがままを聞いてくれた会社には心から感謝しています。THE TRUNK BY OBOISTでは、今後様々な職人やクリエイターを招聘し随時トランクショーを開催してきます。私自身はあくまで橋渡し役に徹します。採寸や制作には当面関わりません、プロの領域はプロに任せます。

「他で買える商品は置かない」という基本理念を徹底的に貫きます。
例えばSewnとはTHE TRUNK専用ラストの開発や当該ラスト専用3ピースシューツリーおよびK18ピンクゴールドメッキギボシの採用、スーツはアルデックスの協力を仰ぎTHE TRUNK専用のブリティッシュモデルを新たに開発。SHINYA監修のショップオリジナルシャツも作ります、時在服飾設計とも手を組んで特別な生地でのパターンオーダーシステムを導入します。他にもたくさん、私自身の心が躍るようなプロダクト開発に挑んでいます。

店舗を構える以上、今後必要最低限の利益はあげていかなくてはなりません。しかし「すべては職人のために」「もっと読者に楽しいと感じてもらえるように」この2つのスタンスが変わることはありません。私がプロとして人々のお役に立つには何が出来るのか、この思いを忘れずに、今後ますます精進して参ります。オープン予定日は2024年5月1日。今後の情報発信を楽しみにお待ちください。

P.S.

この度のプロジェクト推進にあたり、自分がいかに素晴らしい方々に囲まれている幸せな男なのかを改めて認識しました。皆様のおかげで、年末年始に思い立ったばかりとは思えぬスピード感で物事が進んでいきました。ひとつも形になっていない状態で快く私のオファーを受けてくれたクリエイターの皆様、様々な面でサポートしてくださったプロフェッショナルの皆様、アイデアの相談に乗ってもらった友人たち、ショップのインテリアデザインを手伝ってくれた妹や職場の先輩の紹介でご縁があった施工業者の皆さま、背中を押してくれた家族、そして自由過ぎる夫を文句ひとつ言わずに見守ってくれる妻に、この場を借りて心より御礼申し上げます。いつも本当にありがとう。

#thetrunkbyoboist

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